メンバーたちが
生活者視点で語るなかで、
「あれ?」「これって?」と、
あらたに生まれる気づきがあります。
おしゃべりを重ねて出てきた
こぼれ話をお話しします。
YCC女子部 Findings
スパイスについてのブレストでの話。
ただでさえ忙しい有職女子の私たちですから、
「スパイス使った本格料理を作るのはハードルが高い」 「スパイスになじみがない」
というスパイスを敬遠する意見がでてきました。
その中でも一番納得!だったのが、
「スパイス使った料理は家族が喜ばない。よってスパイスは私の料理に登場しない」でした。
- 子どもはスパイスが食べられない。
- そればかりではなく子ども舌の旦那さんは
スパイス料理を喜ばない。 - 必然的にスパイスを使うような複雑な
料理は食卓に並ばない。
というメニュー考案の方程式が登場!
「馴染みの薄いスパイスをもっと身近な存在にするプロモーション」は
もちろんひとつの課題解決策ですが、実は「家族の味覚」「旦那様の子ども舌」という課題
があり、「味覚の育成」という、解決までに時間のかかる解決策も見えてきました。
そして、このブレストで気づいたことがもう一つ。毎日のメニュー決定に際して
「家族が喜ぶメニューを選ぶ」は当たり前のように聞こえますが、忙しい主婦にとって
「家族の喜ぶ顔」はなによりのモチベーションなのだと、仕事・家事・育児をこなす
YCC女子部メンバーの話を聞いて痛感しました。
あぁ、会社員であり妻であり母である、あなたは本当に偉大だ…。
あるコンビニ商材のプロモーション提案。
実際にコンビニでランチを購入して、ランチしながら
そのメニューを選んだ理由をブレストしました。
そこで女子部から出てきた言葉が「男子棚」と「女子棚」。
ガッツリこってりボリューム満点のカップ麺が並ぶ原色パッケージの押しの強い棚は「男子棚」。
スープやはるさめ、味噌汁などが並ぶ中間色なイメージのやさしさあふれる棚は「女子棚」。
「女子棚」には、「カロリーひかえめ」「胃腸に優しい」「体を温める食材」など、
女子の細かいニーズにこたえてくれる商品が並んでいます。
そうなると、ランチメニューを選ぶとき、自然と「女子棚」に足が向かいます。
「男子棚」はと言うと、棚の前にいる姿を会社の人に見られるだけで恥ずかしい。
バラエティ番組やYouTuberで大食い女子のキャラクターも確立され、
その魅力が語られるようになってきたのに、それでもやっぱり「男子棚」は
女子にとってはハードルが高い。
プロモーション提案には買い場の状況把握は欠かせなく、
この「溝」は大きな発見となりました。
一方で…多様性が認められてきたジェンダーの問題も、
じつはまだまだ意識レベルと行動レベルは一致していない。
そんな日本の根深い価値観と自分の意気地の無さに気づくブレストとなりました。
そして今日も私は「女子棚」の前に立つ。
女性ターゲットのプロモーションが炎上するケースが増えてきています。
古いジェンダー感でモノを語れば一発でです。
YCC女子部でも「失敗したと思う女性プロモーション」を皆で話し合ってみました。
だいたい以下のような理由が炎上の原因として上げられました。
- ●家事や育児などを女性の役割として押し付けている
- ●女同士の関係性は陰湿という決めつけ
- ●女性としての魅力を、年齢と見た目で語っている
- ●女性を無知なものとして扱う
上記を見ると、女子をひとくくりにカテゴライズすること、
そしてそのカテゴライズに対して古い価値観や
既成概念での役割を押しつけることがNGのようです。
しかし!難しいのが、どこからが「古い」で、どこからが「新しい」のか、という線引き。
いえ、古い価値観の中にいる人が、自分の価値観は自分にとっては常識なので、
「古い」と気づかないことの怖さです。
人気バラエティ番組やお笑いで見られる世代間での笑いのツボの違いというと
少しわかりやすくなるでしょうか。世代を超えたYCC女子部のメンバーで話し合うと、
世代間の常識が違うことがしょっちゅうでてきます。
このジェンダーによる炎上の防止策の一つには、世代間を超えた対話があること。
「世代を超えた対話の場がある」これこそが今後の企業の常識にならないとダメですね。